ポケットモンスター サン・ムーン
ポケットモンスター サン・ムーン | |
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ジャンル | RPG |
プレイ可能人数 | 1人 (対戦・交換など: 2〜4人) |
開発元 | ゲームフリーク |
発売元 | 株式会社ポケモン |
販売元 | 任天堂 |
発売/配信日 | |
日本 | 2016年11月18日 |
アメリカ | 2016年11月18日 |
オーストラリア | 2016年11月18日 |
ヨーロッパ | 2016年11月23日 |
韓国 | 2016年11月18日 |
中国大陸 | 2016年11月18日 |
香港 | 2016年11月18日 |
台湾 | 2016年11月18日 |
公式サイト | |
pokemon.co.jp (日本語) | |
pokemon.com (英語) |
ポケットモンスター サン・ムーンは、2016年11月18日に発売されたニンテンドー3DS用のゲームソフト。
概要
2013年に発売されたポケットモンスター X・Y以来、およそ3年ぶりの新世代(第七世代)の作品である。今作はタイトルに天体の名前が用いられている。また、第六世代に引き続きニンテンドー3DS用ゲームソフトとなり(一部地域を除く)世界同時発売ともなる。
ロゴは、サンが太陽をイメージしたオレンジ色。ムーンは三日月をイメージした青色となっている。「ン」の一画目はサンでは青色のひし形の石が、ムーンではオレンジ色のひし形の石があり、それぞれのソフトとは対になる色となっている。
10月18日には体験版が配信された。サトシゲッコウガと共に製品版とは異なるストーリーをプレイできる。プレイ後には製品版発売後にこのゲッコウガを製品版に持っていくことが可能。 また、換金できるアイテムも入手可能。
2017年1月25日にはポケモンバンクがサン・ムーンに対応し、第六世代および第一世代(VC版)のソフトからポケモンを連れてくることができるようになった。
平成の最後の本編の完全新作タイトルである。
マイナーチェンジ版としてウルトラサン・ウルトラムーンがある。
新要素・変更点
- Zワザ
- 1回のバトルにつき1人1回しか使えない必殺技。Zは「ゼンリョク(全力)」の頭文字からとられ、読みは「ゼットワザ」。アローラ地方伝統の特別な技である。ZリングにZクリスタルをはめ込み、ポケモンに同じクリスタルを持たせて共鳴させることで発動させることが出来る。発動の際、「ゼンリョクポーズ」と呼ばれる特殊なポーズをとる必要があり、これらはキャプテンの試練やしまキング・しまクイーンの大試練をクリアした際に伝授される。攻撃技は対応する技を覚えていることで専用のZワザに変化する。この技はベースとなる技によって威力および物理・特殊のタイプが変動する。攻撃Zワザの命中率は全て無限大(必中)で、相手が「まもる」「みきり」などの防御姿勢技を使っていても、ある程度のダメージを加えることができる。変化技は従来の効果に加え、技ごとに応じた追加効果が上乗せされる。名前は共通して「Z+元の技名」となる。『サン・ムーン』に於いては1回のバトルにつき、Zワザを1回しか使えない。
- リージョンフォーム (アローラのすがた)
- ポケモンがアローラ地方の環境に適応した結果、その地方でしか見られない姿になった個体が登場。高さ・重さだけでなく、タイプや特性も大きく変わったポケモンもいる。
- 時間の概念
- 今までのソフト同様、ゲーム内の時間は3DS本体の時間と連動しているが、サンとムーンでは12時間の時差があり、実際の時間と比べムーンの方が昼夜逆転する形となる。
- 着せ替え
- X・Y同様、主人公の服・髪型・目の色を自由に変更することができる。ポケモンセンターのフィッティングルームは廃止され、ブティックの試着室でのみ着せ替えられる。また、女性主人公はリップの色を変えることができる。
- 新要素として購入した服のうち、白色のものはフェスサークルの染物屋で様々な色に染めることができる。きのみを使って染めることもできる。
- また、サンでしか買えない服、ムーンでしか買えない服も多数あり、もう一方のバージョンでしか買えない服もフェスサークルランク10以上になれば、通信相手の着ている服を取り寄せることができるようになり、それによって手に入れられる。
- 肌色
- X・Yでは3種類だったが、今作から濃い色の肌色が1つ増え、4種類の中から選ぶことが基本となった。
- ポケモンライド
- 町やダンジョンなどでポケモンを呼ぶことでポケモンに乗ることができる。ポケモンの力を借りることで、巨大な岩の先など人間だけでは行けない場所に行くことができるようになる。それに伴い、ひでんマシンは廃止された。フィールドわざもすべて廃止されている。
- ポケモンジムの廃止
- これまでの地方にあったポケモンジムは登場せず、しまめぐりの試練および大試練に挑戦する。また、一部を除くZクリスタルがジムバッジの代わりとなっている。
- 島めぐりの大試練をこなすとトレーナーカードにスタンプが押され、これによって一定レベルまでの他人のポケモンが言うことを聞くようになる。
- グリッドの完全廃止
- 第六世代では一部のマップでスライドパッドの移動によりグリッドを無視した移動ができたが、本作ではグリッドが完全廃止された。そのため隣接してAで調べるのに対し、どこまで近づけば調べられるかが分かりづらくなった配慮として、アイテムボールや調べられるところの一部は調べられるところまで近づくと、吹き出しで「A」と表示される。
- ポケモン預かりシステム
- これまでは起動すると「ポケモンを預ける」「ポケモンを連れていく」「ボックスを整理する」「持ち物を整理する」といったメニューが出たが、このメニューが廃止され、起動すると一発でボックス整理になり、ボタンでボックス整理と持ち物整理を切り替える形となった。
- バトル画面
- バトルの際、ポケモンのアイコンをタッチすると能力変化や状態変化を調べることができる。また、Yボタンでボール使用へのショートカットができる(従来通り、バッグ経由で使用することも可能)。
- 一度戦ったことがある相手ポケモンとのバトルの場合は技選択の画面で、攻撃技に限り「こうかばつぐん」(2倍弱点と4倍弱点)・「こうかあり」(1倍)・「いまひとつ」(0.5倍と0.25倍)・「こうかなし」(0倍)のメッセージがでるようになった。バトルツリーや通信対戦の場合は見たことがあるかどうかに関わらず表示される。ただし本来はじめん技が抜群なのにふゆうのためにきかない、など特性による相性の変化は考慮されていない。また変化技についても表示されない。
- ジャッジ
- これまでよりさらに詳しく調べられるようになり、すべての能力が大体どのくらいの個体値か調べられるようになった。また、ボックス操作中に「ジャッジ」をタッチすることでジャッジモードに切り替わり、カーソルを合わせるだけでジャッジ結果が出る。
- 乱入バトル
- 野生のポケモンはたまにターン終了後、ぬしバトルは1ターン終了後に必ず助けを呼び、1対2のバトルになる。
- 主人公の出発地が道路上になった
- 今までは町が出発地(主人公の家がある場所)だったが、今作とマイナーチェンジのウルトラサン・ウルトラムーンでは1番道路が出発地になっている。
発売までの経緯
- 2016年2月27日 - Pokémon Directで発表。
- 2016年5月10日 - YouTubeで動画公開[1]。ソフトのパッケージ・御三家・新地方アローラ地方の様子などが紹介され、発売日が11月18日に決まった。
- 2016年6月2日 - パッケージポケモンの「ソルガレオ」「ルナアーラ」、登場人物の「ククイ博士」「リーリエ」「ハウ」、新機能の「ロトム図鑑」と「QRスキャン」の情報が公開。
- 2016年6月11日 - YouTubeで動画公開[2][3]。ジガルデの10%フォルム・パーフェクトフォルム、とくせい「スワームチェンジ」、わざ「サウザンアロー」「サウザンウェーブ」「コアパニッシャー」の情報が公開。
- 2016年6月15日 - 新ポケモンの「ヤングース」「ツツケラ」「アゴジムシ」の情報、マギアナの詳しい情報、新バトル方式の「バトルロイヤル」の情報が公開。
- 2016年7月1日 - 新ポケモンの「カプ・コケコ」「デンヂムシ」「クワガノン」「ジジーロン」「ハギギシリ」「アブリー」「トゲデマル」「イワンコ」「ネッコアラ」の情報が公開。
- 2016年7月8日 - 新ポケモンの「ヤトウモリ」の情報が公開。
- 2016年7月16日 - ソフト予約開始。なお、この日は映画「ボルケニオンと機巧のマギアナ」の上映開始日でもある。
- 2016年7月19日 - 新ポケモンの「コソクムシ」「アマカジ」「キュワワー」「バンバドロ」「キテルグマ」「ミミッキュ」、新機能の「すごいとっくん」の情報が公開。
- 2016年8月1日 - 新要素「Zワザ」「乱入バトル」「ポケモンライド」、アローラ地方に伝わる儀式「島めぐり」とそれに関する「試練」や「ぬしポケモン」および登場人物の「キャプテン」(「スイレン」「マオ」「マーマネ」「カキ」)と「ハラ」、新ポケモンの「オドリドリ」「メテノ」「デカグース」「カリキリ」「ラランテス」「ドロバンコ」、ナッシー・ロコン・キュウコン・サンド・サンドパンの「リージョンフォーム」の情報が公開。
- 2016年8月11日 - YouTubeで動画公開。本作の悪の組織である「スカル団」とその幹部の「プルメリ」、およびボスの「グズマ」、新ポケモンの「ネマシュ」「ヨワシ」「ナマコブシ」、ニャース・ガラガラ・ライチュウのリージョンフォームの情報が公開。
- 2016年9月1日 - YouTubeで動画公開。 Zワザについて詳しく公開された。新ポケモンのコラッタのリージョンフォームの情報が公開。
- 2016年9月6日 - YouTubeで動画公開。ポケモンファインダーが公開された。更に、ポケモンを保護してくれるエーテル財団が公開され、その中の「ザオボー」「ビッケ」「ルザミーネ」が登場。そして、ジガルデを捜査する2人組、デクシオ、ジーナが登場。スカル団の用心棒「グラジオ」が登場。新ポケモンの「タイプ:ヌル」「ジャラコ」が登場。ラッタのリージョンフォームも登場。謎の存在「ウルトラビースト」などの情報が公開された。
- 2016年10月18日 - 体験版配信開始。
- 2016年10月27日 - YouTubeで動画公開。御三家の最終進化形「ジュナイパー」「ガオガエン」「アシレーヌ」、新ポケモン「コスモッグ」「カプ・テテフ」「カプ・ブルル」「カプ・レヒレ」、ペルシアンのリージョンフォームなどが公開された。なお、公開は22時頃だったが、18時頃に最終進化形のイラストが描かれたカードゲーム商品のツイートをしてしまうミスが発生した。当ツイートはすぐに削除され、元の指定時間と思われる時間に再投稿された。
- 2016年11月14日 - Youtubeで動画公開。「ディグダ」、「ダグトリオ」のリージョンフォーム、新しいウルトラビースト2体などの情報が公開された。
- 2016年11月18日 - YouTubeで動画公開。新たなウルトラビースト2匹の情報が公開された。なお、公式サイトでは黒いポケモン「ネクロズマ」の情報が載っている。説明文は「判明しているのは、この姿のみ。すべては謎に包まれている…」のみ。
ポケットモンスター サン・ムーンにおける反響
10月27日に公開された資料によると、ポケットモンスター サン・ムーン 特別体験版は全世界で 350万DLを突破した。予約状況も日米欧いずれにおいても前作のポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイアを超えるスピードで伸びを続けている。[4]
11月16日時点で、全世界での初回出荷本数が1000万本を突破した。[5]これは3DSソフトとしては最多で、X・Yと比べ1.5倍の本数である。
2022年3月時点で売上1628万本を記録した[6]。2022年12月時点で日本国内の出荷本数は394万本[7]。
「日本ゲーム大賞 2017」優秀賞・ベストセールス賞・グローバル賞 日本作品部門を受賞[8]。
スタッフ
ポケットモンスター サン・ムーンのスタッフクレジットを参照。
音楽
ニンテンドー3DS ポケモン サン・ムーン スーパーミュージック・コンプリートを参照。
備考
- サン・ムーンからは7言語に加え新たに中国語(簡体、繋体)が追加された。[9]これにより、中国語でのポケットモンスターの正式名称も決定した。
- これまでに無かった特徴的な名前のポケモンが本作では初登場した(名前に「・(中黒)」がついたカプ系統、「:(コロン)」がついたタイプ:ヌル、「ヂ」がついたデンヂムシなど)。
- これまでの伝説のポケモンは、「進化しない」「(通信を除いて)一つのデータにつき1匹しか入手できない」という決まりがあったが、本作ではそれらは無くなった。
- 第六世代まで大雑把だったとくせいの説明文が詳しく書かれるようになった。ただし、ふくがんやシンクロなど、フィールドでも効果を発揮するとくせいに関しては、フィールドでの効果は書かれていない。これは第八世代まで続く。
- 発表の際にPokémon GOとの連動予定がアナウンスされ、内部データにはGO産ポケモン用のマークが設定されていたが、最終的にサン・ムーンやポケモンバンクでの連動機能は実装されず、ピカブイとPokémon HOMEで実装された。
- 本作では全国図鑑が廃止され、アローラ図鑑のみの登場となった。アローラ図鑑に登録されていない他地方のポケモンはポケモンバンクや別ソフトとの通信交換で入手可能(殿堂入りなどの特殊な条件等は必要ない)。
各言語版での名称
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脚注
- ↑ 【公式】『ポケットモンスター サン・ムーン』ジブンを超えよう。#01
- ↑ 【公式】『ポケットモンスター サン・ムーン』 最新ゲーム映像(ジガルデ)1
- ↑ 【公式】『ポケットモンスター サン・ムーン』 最新ゲーム映像(ジガルデ)2
- ↑ 任天堂株式会社 第 77 期(2017 年 3 月期) 第 2 四半期決算説明会資料(pdf)
- ↑ 『ポケットモンスター サン・ムーン』初回出荷本数が世界累計で1000万本を突破! - ファミ通.com
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績、2022年7月28日閲覧。
- ↑ 一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会『2023 CESAゲーム白書』、186頁。
- ↑ 受賞作品|日本ゲーム大賞、2022年9月16日閲覧。
- ↑ 中国では過去に、中国語版の販売を求め署名も行われたので念願ともいえる。